【映画批評】最後の決闘裁判とリドリー・スコット特集!/高橋ヨシキ、てらさわホーク、柳下毅一郎 ゲスト:Utomaru【ネタバレ】
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- Опубликовано: 19 сен 2024
- 【10月27日20時生放送!】
公開中の『最後の決闘裁判』を、高橋ヨシキ(Tw:@InfoYoshiki)、てらさわホーク(Tw:@hawk13)、柳下毅一郎(Tw:@kiichiro)ら映画評論家がネタバレ全開で生批評!
『ブレード・ランナー』や『エイリアン』のイメージが真っ先に浮かびがちなリドリー・スコット監督。今回は新作『最後の決闘裁判』を踏まえて、『デュエリスト/決闘者』『グラディエーター』『エクソダス:神と王 』…などなど、リドリー監督の時代劇の傑作群に絞り作家性を大検証。
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「宇多丸さんのラジオで取り上げられた意見」が部分的に紹介されていましたが、その意見を送った当人です。
こちらでもそうですが、宇多丸さんのラジオでも時間的にほんの一部しか紹介されておらず意図が十分に伝わらなかったかもしれませんので以下に全文を掲載しておきます。公開当時に書いた意見をそのまま載せるので年齢表記等はその旨了承ください。長いのであしからず。
「最後の決闘裁判」鑑賞してきました。
原作本同様に綿密な歴史考証に基づいた中世の文化や風景、衣装や美術、法律、宗教、戦争、政治、制度などの細やかな描写が素晴らしく、長尺ながらも無駄なシーン一つない美しく真に迫った映像表現は感嘆の一言でした。
そしてこの映画の大きなテーマである性暴力や女性差別の問題についても、ハリウッド大作かつ歴史物のカテゴリーで白人の高齢男性が監督した作品としては他に並ぶものが思いつかないほど高いレベルで女性の視点に寄り添いながら切れ味鋭く描いている作品だと感じました。
ただ私的には「面白く」消費したくは絶対ない超絶に胸糞映画でもあり、しかしながらそう心底思わせてくれる点でも傑作だと思います。そのため賛否のどちらか、というよりはどちらでもある作品というのが最も近い感想です。
そして殆ど文句のつけようのない素晴らしい作品ですが、賛否の「否」の部分でフェミニズム映画として見た時に個人的に疑義を感じた点がありました。それは、多くの方が視聴に際して注意喚起をされている性的暴行シーンです。
マルグリットが暴行されるシーンは視点の違いで2回ありました。非常に凄惨な場面であり映画館の大画面で繰り返し観せられることは精神的に、特に実際に性的暴行の被害にあった方にとっては大きなストレスになることは間違いないと思います。ただこのシーンを撮るにあたりMeToo活動団体の監修やインティマシーコーディネーターが指導する等、監督やスタッフの皆さんが細心の注意を払っているのは分かりましたし、俳優さんたちが肌を晒すことも最小限にし、性的暴行を「エロい」場面として消費させない気概も感じました。映画としてもあのシーンがあることに確固とした必然性はあったと思います。
しかしそのことが同時に私にとってはそれで良いのだろうかと感じる点でもあります。
あの場面によって多くの方がレイプの悲惨さや被害者の耐え難い苦痛を追体験し、性暴力がいかに恐ろしく卑劣な犯罪であるかを認識する一つの機会になったのではと思います。その意味で正しく啓蒙的なシーンでありこの作品の肝でもあると思います。
しかしながら、被害について想像の及ばない一般大衆を、もっと言えば男性を学ばせるために女性を凄惨にレイプし、それを「見せ場」にするのは本当に良いことなのでしょうか。
昔から洋の東西を問わず映画の世界では女性への暴力やレイプシーンが「エンタメ」や「教材」として数え切れないほど使われてきました。もうそろそろ別なやり方をすることは出来ないのか。女性の身体は男性たちを学ばせるためにあるのでは無いと思うのです。女性に暴力を振るったりレイプしたり凄惨に殺したりする克明な映像を見ないと学べないのでしょうか。
そして「これが真実」と注釈付きで観客に目撃させないと被害者の訴えは信じられないものなのでしょうか。加害者視点の幻想を打ち砕く効果はあるでしょうが、実際の性犯罪においてはこんな克明な映像や証拠は残りません。
MeTooを受けて作るならば、「あなたが酷い目にあったことを我々観客は目撃した。あなたを信じます」ではなく、「あなたに何が起こったのか我々には目撃する事はできない、でもあなたの訴えを聞いて信じます」というアプローチがあり得たのでは?と感じたのです。
特にこのテーマをmetoo後の時流の中で正面から描くというのならば、尚更にそのやり方で本当に良かったのだろうかと。
映画的にも現在を生きる大多数の観客の理解度や認識としてもそれが非常に難しいのは分かります。しかしその困難さが性犯罪とこの社会における大きな課題なのだとあらためて痛感しました。
あの場面が必然であることこそがそのまま、未だ中世から状況がそれほど変わっていないことの証左ではないかと思うのです。
暴行シーンに続く、マルグリットに心無い質問を浴びせる裁判のシーンも残酷で胸の悪くなるセカンドレイプを容赦なく描いていました。
当時の「科学」に基づくとされる質疑内容は噴飯もので野蛮な刑罰と共に、中世ヨーロッパってとんでもないなと感じる方も多いと思います。しかし現在の日本の法廷における性暴力被害者に対するセカンドレイプも同じかそれ以上に恐ろしいものではないでしょうか。
被害者は警察と検察官(男性が多い)の前で最低2回は、行為の間何をされたかを、何を言ったか言われたかを詳細に説明させられますし、現場検証では行為中のポーズを取らされ記録として写真を撮られます。裁判では加害者や観覧の市民の前で再び被害について証言させられ、苦痛を伴ったり尊厳を損なわれる様な質問を受けます。そしてその一部始終がテレビや新聞等のメディアで国内のみならず世界中に配信されることもあります。
死ぬほど苦しく辛い裁判を耐え抜いても、「十分な抵抗をしなかったから」と加害者は無罪になるどころか逆に名誉毀損で訴えられ世間から酷い誹謗中傷を受けさえすることもあります。
私たちは中世からそれほど進歩してはいないとあらためて感じました。
最後に、決闘中興奮し野次を飛ばし楽しんでさえいる観客の姿や、決闘後に観客に応える男性の振る舞いと女性の表情が、今も変わらぬ性暴力を取り巻く現実の絶望感をよく表しており、また見方によってはこの映画自体をメタ的に(主演で脚本も手がけたベン・アフレックがMeeToo運動当時から現在までセクハラの加害者側として告発されている当事者であるということ含め)自己批判するシーンにも思えました。そうだとするとリドリー・スコット監督は私が感じた様な疑義すらも織り込み済みだったのかもしれませんが。
ここまで長々と書いてしまいましたが、それでもまだ書き切れないほどに多くのことを思考させる凄い作品でした。
そして過去作『ブレードランナー』でのデッカードとレイチェルのラブシーンの描き方を考えても、83歳をこえてここまでアップデートした感覚を持ち、先鋭的かつ時代性、芸術性、エンタメ性まで兼ね備えた映画を作れるリドリー・スコット監督は稀代のフィルムメイカーであり、一人の人間としても素晴らしい方だなと心から感じた一作でした。
面白かったです。人によって声の大きさがちがって聞こえるので調整していただけたらありがたいです。(てらさわホークさんの声だけ特に大きく聞こえる時がありました)
リドリースコットあの年齢でこんな現代的なテーマできるのすごいな
遅まきながら配信で映画を観ました。
予想以上のトラウマ映画になりました、、
皆さんの感想とても参考になりました。
この映画を消化する一助になったと思います。
特に柳下さんの解説とても勉強になりました。
Utomaruさんがおられてとてもバランスの良い場になっていると思います。
ヨシキさんが紹介された「魔女とメランコリー」も購入しました。
グレート・ウォリアーズも観ましたが、さすがヴァーホーベンだなって映画でした。
とてもシリアスな回でしたが、ホークさんのおまけコーナーや所々のツッコミに和みました笑
これからも black hole続けてください!
応援してます。
ブラックホールで毎回しれっとSTAR WARSディスるの好き
ものすごい面白く、興味深い。
パンフレットに載せるべき内容。
そもそもパンフレットないのか
飲み会の駄話みたいな回も良いですけど勉強会みたいな回も良いですねー
リドスコ特集素晴らしいです。第二弾GUCCI家やって欲しいです。
マットデイモンのパートがいちばん病気が重いのも面白い🤣
アラン・ムーア特集面白そうですね
突飛なことをいきなり言いますが、コリン・ウィルソンがアラン・ムーアに与えてる影響の話などあったら聞いてみたいです。
最近コリン・ウィルソンの著作を読んでいたのですが、ムーアにとって直接的なインスピレーションの元になってるのでは?と思う部分が多々ありました。
フロム・ヘルの中の付録でもウィルソンについて言及してますし、ムーア関係の話は翻訳を手掛けていらっしゃる柳下さんが「絶対詳しいはずだ!」と思い、ちょっと聞いてみたくてコメントさせていただきました。
激烈な拒否反応を示している方がいますが、G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズが個人的には5年に一度の超絶ポンコツ映画だったので是非レビューお願いしたいです。
右に行くほど声が小さい
マイクが左にあったのかな
ボリューム上げると左の人の声がデカ過ぎて困る
「目を背けたくなる人もいる」ことこそが、レイプシーンの存在意義であり、卑劣さをオブラートで包まないという作り手の意思表明では。
デイモンをデぇ〜モンと呼ぶところが好きw
ほろびろ!デイモン!(棒読み)
皆さんの最後の決闘裁判に対する批評に感銘を受けてる中現れた「脳味噌食べられ男」に大爆笑してしまった
utomaruさんのバランス感覚の良いご意見がとても聞きやすく、今回のようなデリケートでもある題材においてゲストにお呼びしたのは大成功だと思いました。
これからもまた参加していただけたら大変嬉しいです。
いやいらないよ
@@horatii_and_curiatii 女のコが入ってくるとテレちゃうDT感かわい😁💕
@@horatii_and_curiatiiいらないのはお前定期
ザラー特集やっておくれ
56:50 靴について
犬と決闘して負けた人の名前がマケールってなぁ
教会でゴー缶しましたと懺悔してましたよね。
罪の意識ありありだと思ってました。
宇多丸さんのラジオではリスナーの投稿として紹介された1意見だったと思います。
30:50
平山夢明
007の時とあまりにテンション違いすぎてそれだけでもうおもろい
姑の婆さんとルグリは連絡があったのかな?
婆さんが家政婦連れて外出し、マルグリットを城にひとりにして、そのタイミングでルグリがやって来るのは偶然だったのか?
リドリースコット論もそのうちお願いします🥺
女性のゲストがいて嬉しいです。柳下さんの解説と批評が勉強になりました。
リドスコは13歳のときに『ユリシーズ』を読んでいたんですか。ぜひ、撮ってもらいたいです。
お通夜みたいな雰囲気でむしろホッとした。「騎士の戦闘カッケー、細けえことはどうでもいいじゃん」みたいな放送だったらヤダなと思ってたから。
それはちょっと馬鹿にしすぎでは、、、?
ヨシキさんが法曹界にマークされてる説
悪の法則良かったなあ
PPTでの説明の時の声が小さくて分かりづらいですね。特にutomaruさんの声。
タイトルはともかく、説明文にUtomaruさんの名前も載せたほうが良いのでは?こういう内容の話さんざんやってて女性ゲストの名前入れ忘れるのはちょっとアレなんじゃないですかね?
トークで充分にもつ演者ではありますが、BGM付いてたらまた印象違うかも。
少々ご歓談下さいというので、ご歓談してたら終わってた。なので再視聴。
とても面白く聞かせて貰った分、タイトルにUtomaruさんの名前が無いのが余計に気になってしまう…
追記:変更ありがとうございます!
えっ☀️ 奥さんですね🎵 初めて声聞きました。
強姦シーンはなくても良かったのでは?と言う意見がラジオで取り上げられたと言うメールですが
自分は提供された作品を見て受けてはどう感じるかだと思います。
こう撮れば良いと観客が言うのは何か違うように思います。
私はこの映画観てる途中で現代劇を観てるのか?と思いました。
数百年前も現代もやってること一緒。たかだか数百年では人類は進歩しない愚かな種?
パッケージばかりご立派になって中身はクソ溜め。
おまけにこの映画の興行成績不振というオチまでつけてくれました。
反省を教訓にして進歩しない自称知的生物は滅びたほうが地球に優しいのでは。
「羅生門って何?」って、なに?
知的教養の劣化がやばいよね
アダム•ドライバーが馬にキスして嫌がられてるのが笑えたり所々にお笑いポイントがあり。
馬の太ましいモノをサブリミナルに見せて来たり女性の裸体等セクシャルな所を引きでボカしてるのにウマは魅せて来るというね(はっきり見えました
アダム•ドライバーの側近のあいつも悪魔の囁きをして楽しんでるのも良かった新約聖書の暗喩と言うか人間の中にある悪魔の面が浮き彫りになると言うか、あとアダム•ドライバーに見惚れてたあの奥さんの友人も、最後のシーンでモブ達の表情を1人1人出しててよかった。
改めてリドリー•スコット御大の作品なんだなぁと思います。
エイリアン•コヴェナントの続編楽しみ!
時代背景の深掘りありがとうございました!肉厚なパンフレットの様な素晴らしい内容の動画でした。
そのものズバリのシーン見たくないような奴は、明らかに殺し合いしそうなタイトルの映画観に行くなよ
そんな奴らの希望聞いてたら全編暗転して声だけになるわ
リドリースコットのゲス野郎。。。 ブラックレインの松田優作に一票。
俺はマリグリッド含め証拠が無く真実は解らないと受け取ったわ。
ただ、当時の人は当時の倫理観で生きていて、今のジェンダーの問題を落とし込むのは違和感が有る。
何か所謂『フェミ』が、現代の問題ありきで作った映画って感じで、一歩引いたスタンスで取れば良かったのにな〜と思う。
その方が批評性も議論する余地も更に有って良かったのにと思う。
あの内容見てこんな感想を持つ人もいるのか。。映画がどんどん分かりやすくなるわけだ。
リドリースコットをフェミ呼ばわりって頭おかしいんじゃねーのw